「歯周病とは」
歯周病とは
歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)が後退したり、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。 清掃が行き届かない歯と歯肉の境目(歯肉溝)などに、多くの細菌が長時間停滞すると、歯肉の辺縁が炎症を起こして赤くなったり、腫れたりします。
しかし、初期の歯周病では、ほとんど痛みはありません。
自覚症状がないため、進行してきていてもわからず、重症化して歯が揺れるなどの症状が出始めて初めて気付くことが多いです。
歯周病と細菌
私たちのお口の中には、約400~700種類の細菌が存在しています。これらの細菌は普段は悪さをすることはありませんが、歯みがき(ブラッシング)が行き届かない部分に長時間放置されると、歯垢(プラーク)を生成し、さらに強固な歯石になり、その上で増殖していきます。
歯垢や歯石の周りでは、歯周病を引き起こす原因菌が多く住みつき、歯肉の炎症を引き起こします。これが歯周病のはじまりです。
※歯垢(プラーク)と歯石については、それぞれの用語集を御覧ください。
歯周病の進行
歯周病は歯の支えが悪くなる病気です。歯を支える歯槽骨が溶けてなくなるため、歯をしっかり支えられなくなり、歯がグラグラになってしまいます。そして、歯周病はゆるやかに進行していきます。初期の歯周病は痛みもなく、密かに炎症が進行しています。歯周病は以下のように進行していきます。
- ①歯周ポケットが深くなり、歯の周りの歯肉にバイ菌の巣ができる。
- ②歯を支える骨が溶けはじめる。
- ③膿んで歯肉が腫れたり、歯がグラグラ揺れ始める。
- ④痛くて上手く噛めなくなり抜歯に至る
歯周病の主な原因
歯を失う(抜歯にいたる)2大原因は、むし歯(う蝕)と歯周病です。そして失う確率は、むし歯(う蝕)より歯周病の方が高いです。
歯周病による抜歯は40代前半から増え始めます。そして、60代頃にピークを迎え、60代近辺では歯周病が歯を抜く原因の50%以上を占めています。
歯周病の主な原因と、それにまつわる8つの修飾因子は以下のとおりです。
- 因子1:歯垢
- 因子2:歯石
- 因子3:歯ぎしり
- 因子4:喫煙
- 因子5:糖尿病などの全身疾患
- 因子6:生活習慣とストレス
- 因子7:歯並びと咬み合わせ
- 因子8:不適合な詰め物や被せ物が歯に入っている
歯周病の予防と治療
歯周病は初期の段階では大きな症状はありません。しかし、重症化した段階で見つかっても助からず抜歯に至ってしまう病気ですので、初期、または中等度の状態で歯周病を見つけて治療し、改善された状態を維持する事が基本治療となります。もちろん、歯周病にならないことが一番大事なことであり、まずは予防することが重要です。歯周病は予防も治療も、まずは正確なブラッシングなどの口腔ケアを習得することが必要になります。
以下が歯周病の主なポイントです。
①歯周病は、早く見つける
●ブラッシング時の歯肉からの出血
●水がしみる
●歯肉が落ちてきた
●歯が前よりも動く
●噛んだ時の違和感
●歯ぎしりを指摘されたり、自覚がある
これらが気になったら、歯周病がおこっているかもしれませんので、早目に歯科医師にチェックしてもらいましょう。
②歯周病は、重症化する前(初期、または中等度の段階)に治療する
初期または中等度の歯周病であれば、歯周病を改善し進行を食い止めることができます。
歯周病と診断されたら、すぐに治療を開始することが必要です。重症化してしまうと、手を尽くしても歯を助けられないことが多いです。
③定期的な検診を欠かさない
歯周病治療の基本は、早期発見・早期治療です。
自分では気づきにくいため、歯科医院での歯科検診が重要です。進行した状態だと、手術が必要になったり、時間や費用も掛かってきます。そうならないためにも、定期検診をお勧めします。
岡野歯科医院では
歯周病は抜歯の原因のNo.1です。
そして、抜歯に至る状態まで悪化させてしまう最大の原因は細菌です。
当院では、歯周病の治療の基本は、歯周病を発症させてしまう細菌のコントロール、プラーク・コントロールであると考えています。
プラーク・コントロールとは、歯垢(プラーク)を綺麗に除去し、歯周病のキッカケとなる歯石を作らないことです。そのためには、日々の歯みがき(ブラッシング)が重要になります。
当院では、このプラーク・コントロールを柱に、予防により歯周病を発症させない、改善できそうな歯周病は可能な限り治療することを方針としています。
また、歯周病の治療が必要な場合は、必ず歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を用いて治療を行います。歯石除去はもちろんのこと、歯周病の外科的治療や再生療法など、すべて歯科用顕微鏡下にて行います。
逆に、歯科用顕微鏡を用いること以外は、何も特別なことはしていません。当たり前に、歯石を確実に除去し、『治る状況を整えてあげれば』、初期から中等度の歯周病であれば改善しやすいです。
従来の肉眼や拡大鏡(ルーペ)では、狭く暗い歯周ポケットの中の根の表面にこびりついた歯石が見えないため、歯石の取り残しなどを起こす可能性が高くなります。そのため、原因菌の増殖の温床となる歯肉縁下歯石を取り除けないために、歯周病が改善せずに悪化を食い止めることができないということが起こってきます。
しかし、歯科用顕微鏡下での歯周病治療では、肉眼や拡大鏡(ルーペ)ではできない明るい視野と強拡大(肉眼の20~30倍)により、より確実な治療を行うことが可能です。歯周病があっても、諦めずに顕微鏡歯科による治療ををトライしていただければと思います。
全国で11名の歯科医師のみ、
日本で最も厳しい顕微鏡歯科基準をクリア
顕微鏡歯科ネットワークジャパン認定医・日本顕微鏡学会認定医
根管治療・顕微鏡歯科治療専門 歯科医岡野 眞