【お悩み相談】Q13.血をサラサラにする薬を内服しています。休薬できないのですが、根管治療はできないでしょうか?
記事概要
以前より皆さんから頂く歯に関する不安やお悩みについてブログを通じてお答えさせていただけたらと思い、この度「お悩み」と、その解決法の提案についてコラムを書きました。
1回答:私見ですが、根管治療では抗血栓薬の影響は受けないと思います。
まず初めに、お口の中を拝見していないので、確実な回答はできないことを前提に説明していくことをお許しください。
ご相談内容から察すると、歯科医師の診察の結果、抜歯が必要な状態で、さらに根管治療が必要なケースであるということが想像できます。この方は、根管治療が必要なケースで、痛みがあるという前提で以下にお話しさせていただきます。
むし歯が重症化すると、歯の神経に細菌感染が起こり歯痛が発生します。
その場合は、歯の神経をとる処置(抜髄)が必要になります。
また、神経が生きている状態ばかりではありません。
すでに歯の神経が死んでしまっているケースでも、歯の根の先が化膿すると痛みが発生することがあります。
いずれの状態であっても、歯の通り道である根管を殺菌・消毒して、膿を改善することが必要になります。
これは根管治療(歯内療法)という処置なのですが、実は抗血栓薬(血をサラサラにする薬)の影響はほとんど受けないと考えていいと思います。
ただし、根管治療でも改善しない場合は、外科的歯内療法という手術が必要になります。
その場合においては、抗血栓薬のことを配慮することも考えなければなりません。
また、根管治療が必要なケースになると、むし歯が大きくなっていることが多いのですが、むし歯が歯肉の下深くまで進行してしまっている場合は、抜歯せざるをえない場合があります。
歯が痛む原因は色々考えられますので、何が原因かを診断するのが重要です。
2抗血栓薬と歯の治療
最後に、抗血栓薬と歯の治療の関係性について簡単に解説していきます。
抗血栓薬とは、血液をサラサラにする薬です。
脳梗塞や心筋梗塞など、血栓をつくってしまうと重篤な状況に陥るリスクの高い人は、それらを予防するために服薬します。
これらのお薬を内服している人が、歯科治療時に注意しなければならないのは、多くの出血が見込まれる治療時です。抗血栓薬を服用している人は、止血しにくい状況にあるからです。
例えば、抜歯や外科手術時などは注意が必要になります。
本来であれば、抗血栓薬の内服を中止して抜歯や外科手術に取り組んだほうが安全ですが、抗血栓薬の服用を中止すれば、今度は脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが高まってしまいます。
このようなケースは、医科の主治医と歯科医師が情報共有して治療に取り組む必要があります。
抗血栓薬を服用している方は、必ず、お申し出いただきご相談ください。
医科の主治医と相談しながら治療にあたりますので、ご安心ください。
全国で11名の歯科医師のみ、
日本で最も厳しい顕微鏡歯科基準をクリア
顕微鏡歯科ネットワークジャパン認定医・日本顕微鏡学会認定医
根管治療・顕微鏡歯科治療専門 歯科医岡野 眞