「口臭」
口臭の定義
口臭とは『口あるいは鼻を通して出てくる気体のうち、社会的容認限度を超える悪臭』と定義されています。通常の生活活動で起こるニンニク臭やネギ臭、アルコール臭など、いわゆる生理的な臭気は「口臭」とは定義されません。
主に、口臭の大部分(80%以上)は口腔内の気体が由来であると言われています。お口の中の嫌気性菌が唾液・血液・剥離上皮細胞・食物残渣中の含硫アミノ酸を分解・腐敗することで産生されます。
口臭の主な原因
口臭の原因は、大きく分けて3つあります。
①生理的口臭
②病的口臭
③食事を摂取することによる口臭(口臭の定義からははずれる)
です。
生理的口臭とは、原因となる疾患がなく、 主に舌苔で産生される口臭です。
舌苔とは皮膚の垢(あか)のようなものです。口腔内の粘膜細胞が剥がれ落ちて、舌の上に白く溜まり腐敗します。
これが原因で臭いが生じる口臭です。
病的口臭とは、病気が原因になっている口臭です。
口臭を発生させる病気として、
①むし歯や歯周病などの口の病気
②ちくのう症や扁桃炎などの鼻や喉の病気
③胃炎や胃拡張などの胃腸の病気
④慢性気管支炎などの呼吸器の病気
⑤糖尿病や肝臓病、腎不全、ガン
などがあります。
口臭と唾液
また、唾液の働きも口臭と大きく関わっています。
唾液には自浄作用があり細菌が増殖することを抑えています。
しかし、唾液の分泌が減少しお口の中の乾燥が進むと、唾液の自浄性が低下し細菌が増殖します。これにより、口臭が強くなります。
口臭の治療
口腔由来の病的口臭の場合は、原因となる歯周病や口腔乾燥症(唾液の分泌減少)などの病気を治療することになります。
その他、口腔清掃指導を中心とした歯磨きやデンタルフロスの指導のほか、主な口臭源である舌の清掃指導などがあります。口臭の症状に応じて、補助的治療である洗口液なども勧めることがあります。
最も重要な事は、お口の病気による口臭を発生させない事です。
口臭の予防に有効なのは、半年に1回の定期健診と歯石除去です。歯周病による口臭症にならないよう、少なくとも半年に1回の定期歯科健診をお勧めします。
岡野歯科医院では
岡野歯科医院では、口腔内の病気による口臭を発生させないよう、むし歯や・歯周病治療と口腔清掃指導を強化しています。
歯科用顕微鏡には録画装置が備わっており、お口の中の清掃状態を歯科用顕微鏡で録画し、モニターに再生してみていただきながら、清掃指導をすることが可能です。
口臭の多くは、むし歯や歯周病から起因する、お口の中に生息するバクテリアが関わっています。バクテリアは揮発性の物質(揮発性硫黄化合物)を作り出し、これが臭いの元となります。
口腔内の環境が原因となる口臭は、以下の3つが考えられます。
①口腔内の衛生状態が悪い
②重度のむし歯や歯周病
③精度の低い詰め物や被せ物が入っている
当院では、上記の問題がある場合は、以下のようなアプローチで口臭の改善を図っています。
①口腔内の衛生状態が悪い
ブラッシングが上手くできていないと、細菌の塊である歯垢がたまり、口臭の原因になります。これに加えて歯石がついていると更にお口の中の清掃が行き届かなくなり、歯垢が溜まりやすくなります。そのため、バクテリア(細菌)の繁殖を抑えられなくなります。それに伴い、歯周病も悪化し、病状が進行するとさらに口臭の原因となります。
②重度の虫歯や歯周病
『口臭』の原因が歯周病だった場合、もう重症かもしれません。
歯周病が重症化すると歯周ポケットが深くなります。そこに膿が溜まり口臭に繋がります。改善するためには歯周病の治療が必要です。膿が溜まるくらいポケットが深いときは重症なことが多いので、治療できずに抜歯になってしまう事もありますので、できるだけ早期の発見・治療が必要です。
歯周病は、静かに進んできますので、定期検診を必ず受けていただきたいです。
また、むし歯が重症化すると、そこに入り込んだ食片が腐敗し口臭の原因になります。更にむし歯が歯の神経に及ぶと、神経が腐敗して口臭の原因になることもあります。
③精度の低い詰め物や被せ物が入っている
詰め物や被せ物の繋ぎ目の適合が悪いと、そこからむし歯が再発し、歯に穴が開いて、そこに食べかすが詰まり、そこで腐敗して口臭を起こしてくることもあります。重症な場合ですが、口臭につながることもありますので、詰め物や被せ物をした歯のむし歯の再発は、早期の治療をお勧めします。むし歯を再発させないため、歯垢の溜まりにくい適合の良い詰め物・被せ物が必要です。
口臭があるとQOLも下がります。自分自身も周りの方も気持ちよく過ごすために、口臭が気になったらできるだけ早く原因をつきとめ治療するのが良いでしょう。
全国で11名の歯科医師のみ、
日本で最も厳しい顕微鏡歯科基準をクリア
顕微鏡歯科ネットワークジャパン認定医・日本顕微鏡学会認定医
根管治療・顕微鏡歯科治療専門 歯科医岡野 眞