「樋状根とは」
樋状根とは
樋状根とは、下顎第二大臼歯(親知らずの手前の歯)や親知らずにみられ、本来ある2つの歯根が癒合し1つの歯根のような形態をとる歯根のことです。歯根が、舌側が垂直に深く陥没した形態をしており、歯根の外形だけでなく根管も近心根と遠心根が頬側で癒合し水平断面は馬蹄形を呈し、樋に似ているため樋状根と呼ばれます。また、アルファベットのCの文字に似ている形であるため樋状根管をc-shaped canalとよぶこともあります。特に下顎第二大臼歯に多く、約30〜40%の確率で認められます。 樋状根の根管の形態は歯根の外形と同様で、また非常に複雑な事が多く根管治療はとても困難です。樋状根の根管治療は、根管の形態を正確に把握し処置することが必要になり、根管治療の成功率を上げるためにはCTスキャンや、歯科用顕微鏡を用いる必要があります。
当院の根管治療成功率
日本の根管治療の成功率は30〜50%(失敗率は50〜70%)であり、残念ながら世界的にも決して誇れるものではないという学術データが出ています。世界の成功率に届き、更に超えることを目指すべきと考え、日々診療をしています。
当院の根管治療(非外科的歯内療法)の成功率は96.1%であり、必要に応じて外科的歯内療法(外科手術)を併用した場合には成功率が98.7%に向上します。外科的歯内療法は通常、非外科的歯内療法で治癒しなかったケースに行われますが、当院では非外科的歯内療法で治癒に導けることが多く、外科的歯内療法を必要としないことがほとんどです。さらに、根管治療または外科的歯内療法で膿が治った後には、膿が再発するケースは、ほぼ100%ありません。(術者がベストを尽くしても患者側の生体反応の違いにより、治療の成功率は100%と言い切ることはできませんが、当院では、ほぼ100%に近い成功率を出しています。)
更に当院では、根管治療が成功した状態を維持するために、根管治療後に入れる被せ物も高精度に製作し、細菌の根管への再感染を(コロナルリーケージ)を防ぎます。
根管治療のみならず、根管治療後の被せ物治療も顕微鏡を使って責任をもって作成することにより、予後の良い状態を保つことができています。これらは、当医院の15年間の顕微鏡治療の結果によっても証明されています。
岡野歯科医院では
樋状根は、その解剖学的な形態から歯周病治療や根管治療時には大きな影響を受け、いずれも治療の難易度がとても高くなります。
一般的に、根管治療の成功率は根管の形状に大きく影響を受けます。そして、根管の中に歯髄組織や汚染された根管充填材が残っていると根管治療が失敗する確率が高まります。
樋状根の根管は、歯根の外形通り雨樋のような形状を呈し、通常の根管治療で使用するファイルと呼ばれる針状の器具のみでは、雨樋状の形態の根管を隅々まで清掃することは難しく、どこかに細菌感染した歯髄や根管充填材を残しやすくなります。それが原因で、治療が完了しても症状が無くならなかったり、治療後しばらくしてから歯茎が膿んだり痛みを起こしたりします。
根管治療を成功させるためには、その樋状の形に根管を清掃することが必要になります。
当医院では、樋状根においてもCT画像で根管の形状を事前に確認し、歯科用顕微鏡で根管を視認しながら樋状の形に根管を根の先まで清掃し、根管の中の汚染物質を除去し根管治療の成功率を高めています。
樋状根のように根管が複雑でも、治療の仕方によっては症状が改善し、抜歯しないで済むかもしれません。諦めずに根管治療の得意な歯科医院に相談することをお勧めします。

全国で11名の歯科医師のみ、
日本で最も厳しい顕微鏡歯科基準をクリア
顕微鏡歯科ネットワークジャパン認定医・日本顕微鏡学会認定医
根管治療・顕微鏡歯科治療専門 歯科医岡野 眞