「コロナルリーケージ(根管への再感染)」
コロナルリーケージ(根管への再感染)
コロナルリーケージの原因は2パターンあり、一つは、根管治療が終わってから支台築造(被せ物をするための土台作り)をするまでの間に根管に再感染してしまうケース。もう一つは、根管治療が終わり、被せ物をした後に根管へ再感染するケースがあります。
根管治療が終わってから支台築造をするまでの間に根管に再感染してしまうケースは、根管治療後、または支台築造(土台作り)のために型採りした後にされる仮蓋が不十分で、仮蓋と歯との間に隙間があり、そこから細菌が根管に入り込んでしまった場合です。
根管治療が終わり、被せ物をした後に根管へ再感染するケースは、歯と被せ物とのつなぎ目にむし歯ができ(二次カリエス)、そこから細菌が根管に入り込んでくる場合です。いずれも、根管治療が終わって根管充填により根管が封鎖されているのに、どうして根管に細菌が入り込んで膿ができてしまうのでしょうか。実は、一般に使われている根管充填材(根管の蓋の材料)は、根管充填後に再び根管に入り込んできた細菌を完全に阻止することができないことがわかっています。それによって綺麗に清掃したはずの根管が再汚染して根の周りに膿ができてしまうのです。コロナルリーケージは深刻な問題で、患者さんは、歯科治療を受けても、再感染の可能性ががあるので安心ができないのです。
岡野歯科医院では
コロナルリーケージを防止し膿を作らないようにするためには、根管治療後の再感染をいかに防ぐかを考えながら治療を進めるが重要です。
そのポイントとしては、
① 根管充填材は、根管に細菌が入り込みにくい根管充填材(MTAセメントなど)を使う。
② 根管充填後の仮蓋は、根管治療中と同様に厳重にすること。
③ 支台築造(土台作り)で、支台形成時に、剥がれたり、外れかけたりしやすい根管充填材があるので、支台築造時も根管への細菌の再感染防御のためラバーダム防湿をすること。
④ 歯と被せ物とのつなぎ目は細菌が溜まりやすく、そこにむし歯ができやすいです(二次カリエス)。それが引き金で、細菌が根管に入り込み、根管を汚染して根の周りに膿をつくります。それを防ぐためには、歯と被せ物とのつなぎ目にむし歯を作らないようにしなければなりません。ただ、不適合と言って、歯と被せ物とのつなぎ目に段差や隙間があると、人工的に繋ぎ目にむし歯菌の巣ができてしまい、歯ブラシやフロス、一般的な歯科医院でのクリーニングでは落とせなくなるので、むし歯の再発を抑えづらくなります。歯と被せ物とのつなぎ目に溜まる細菌を落とすためには、繋ぎ目に段差や隙間がない歯にピッタリ合った(適合の良い)被せ物をします(但し、適合の良い被せ物は、歯科医師や歯科技工士にとても高い技術が求められます)。
岡野歯科医院では以上を治療時には留意し、コロナルリーケージにより膿ができるのを防いでいます。
このように、根管治療以外の治療が膿の原因になりえることもあるのです。根管治療の失敗の原因の第一位(44%)は、不良修復物と不適切な根管充填であったという海外のデータもあります。根管治療の内容のみならず、根管治療後の修復物の治療内容によっても根管治療の成否が変わってしまうのです。
岡野歯科医院では、根管治療はもちろん、根管治療後に入れる修復物も治療用顕微鏡を使い、トップレベルの精度で作成しコロナルリーケージを防いでいます。
全国で11名の歯科医師のみ、
日本で最も厳しい顕微鏡歯科基準をクリア
顕微鏡歯科ネットワークジャパン認定医・日本顕微鏡学会認定医
根管治療・顕微鏡歯科治療専門 歯科医岡野 眞