米国では根管治療の専門医に歯科用顕微鏡の使用が義務付け
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)は、主に脳神経外科や心臓外科のオペなどでよく知られている光学機器です。
昨今、この手術用顕微鏡を歯科医療で活用する最先端治療が普及し始めていますが、欧米ではメジャーな治療であるものの、まだまだ日本では顕微鏡(マイクロスコープ)を用いての歯科治療はあまり周知されていません。
日本で歯科治療に顕微鏡(マイクロスコープ)が導入されはじめて10年以上経ちますが、非常に高い技術が要求されること、また設置コストの面から導入が遅れているようです。
しかし、口腔内はとても暗く、狭く、肉眼やルーペではとても見えづらいのです。
むし歯などがきちんと除去されているかどうかを、肉眼やルーペで確実に判断することは極めて難しく、むしろ健全な部分を必要以上に取り除いてしまう可能性があります。
つまり、これまでの歯科治療というのは、歯科医の長年の経験や勘(かん)で行われていたと言わざるをえないのです。
繊細な治療を必要とする歯科治療において、正確な診断・治療を行うためには術野を確保し、患部を高倍率で拡大、また明るく視認できる顕微鏡(マイクロスコープ)が非常に有効です。
今まで、よく見えずに上手くいかなかった治療が、よく見えることによって、上手くいくようになるのです。
医療先進国アメリカでは、根管治療の専門医には歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)による治療が義務づけられています。欧米ではそれほど当たり前の治療法です。
当医院は、治療の成功率を上げるため、ほぼ全ての治療において、歯科用顕微鏡を使用して治療をしています。
歯科用顕微鏡を使うと、どのような治療の結果に差がでてくるか
歯科用顕微鏡を用いた治療は、何にも代えがたい治療成果を生み出すことができます。
根管治療(歯の根っこの治療)では、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使うことにより、肉眼やルーペでは見えない根管内の中の異物や細菌を確実に除去・殺菌し、根尖病巣(根の周りの膿)を治癒させる確率を大きく上げることができます。
歯周病治療では、狭く暗い歯周ポケットの中を歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)で明るく照らし拡大視することにより、歯周ポケット内の歯根の表面に付いている歯石や細菌を確実に除去し、歯周病の改善率を上げ、また歯石除去時に歯肉を痛めるのも最小限にすることができます。
被せ物の治療では、隙間(マージン)のない、ピッタリとした被せ物を被せることができるため、その後、虫歯や歯周病が再発する確率も低くなります。
顕微鏡治療は、他にも多くのメリットがあります。詳しくは、当医院のブログをお読みください。
最近では少しずつ、日本国内の歯科医院でも歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を導入している医院も増えてまいりました。しかし、観察や説明、確認に用いるだけのことが多く、すべての治療過程で歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して治療を行う医院はほんのわずかです。
また、鮮明に見えないメーカーの歯科用顕微鏡を使用している歯科医院もあり、折角の歯科用顕微鏡の効果が発揮できません。
岡野歯科医院では、治療のほぼ全行程でハイエンドモデルの歯科用顕微鏡(Carl Zeiss社OPMI Pro ergo)を治療に使用し、治療の全過程を顕微鏡に備わったカメラで動画撮影し、HDDに記録したものを治療後にモニターに再生し、患者さんに見せながら毎回説明しています。
当医院の顕微鏡は、最大30倍まで拡大が可能で、必要に応じて常に倍率を変動させながら治療します。
このように、勘(かん)や感覚をたよりにした『見えない治療』ではなく、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)は術野を高倍率で拡大し、『見える治療』により精度の高く成功率の高い治療を実現してくれます。
また、『見える治療』とは、術者のみならず患者さんにとっても『見える治療』なのです。
通常、当日受けた治療の説明は、言葉のみの説明が多いと思いますが、言葉より治療写真、写真より治療動画の方が理解しやすいはずです。
顕微鏡には術者が見ている風景を撮影できるカメラが備え付けることができ、後からモニターに何回でも再生するので、術者も説明しやすく、患者さんも治療内容を理解しやすいのです。
このように顕微鏡歯科治療は、患者さんに非常にメリットの多い治療ですので、顕微鏡治療の良さを少しでも多くの方に、理解していただけたらと思っております。
顕微鏡を使った歯科治療の実際
岡野歯科医院のwebサイトでは、顕微鏡治療を理解していただきやすいように、YouTubeで治療動画を公開しています。
歯科用顕微鏡を用いた、詰め物や被せ物治療の精度の高さなど、ぜひ顕微鏡歯科治療の世界をのぞいてみてください。以下は当医院の治療動画です。